高粗利経営への道

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あきらめない気持ち

トランスフォーメーション思考では、「あきらめない気持ち」が大事です。

ビジネスは比較的早く立ち上げることもありますが、この考え方は最初のためだけではなりません。

ビジョンを軸にすることからも、永続的なものなのです。

だからうまくいく時期もあればうまくいかない時期も当然ありますが、それを乗り越えていけるだけの力が湧いてくるはずです。

逆に言えば、ビジョンがあるからこそ、何があってもあきらめない気持ちが続くと思います。

もし簡単にあきらめてしまうようなビジョンなら、原点に戻って、創り直した方がよいでしょう。

改めて言いうと、あきらめない気持ちが大切なので決して失わないように努力するというより、あきらめてしまうようなら、ビジョンを見直せ、ということです。

ビジネスモデル

トランスフォーメーション思考では、外部リソースの活用を推奨している。

これは、自社だけでは大胆で大きな飛躍は難しいからだ。

しかし、外部リソースを使えば何でもよいというわけではもちろんない。

自社のビジョンや想いを明確にして、共感してくれる連携相手を探す必要がある。

そして、キチンと利益を出すには、関係者がすべて儲かるwin-win-winのビジネスモデルを創り上げる必要がある。

単純な仕入れて売るだけのビジネスモデルでは、よほど強力な商品やサービスがないと難しい。

外部と組むことは関係者が多くなるということだから、普通ではコストも上がってしまう。

お客様にも自分たちにもすべての関係者が喜び、メリットがあるビジネスモデルを創り上げることが成功の要でしょう。

これは頭で考えてすぐにできるものではないことが多いようです。

現場で地道に創り上げることに尽きるでしょう。

トランスフォーメーション思考で、売上を大きく増やしても、利益が出なかったり、関係者のどこかにしわ寄せがきているようなビジネスモデルでは長続きしないからです。

 

トランスフォーメーション思考はどの業種でも通用するのか

答えは、イエス です。

すべての会社がすぐにV字回復できるわけではありませんが、今のところ、業種で見てみると、通用しないものはないようです。

ただし、会社で見ると、どこでも成功するわけではありません。

特に成長意欲がなかったり、他者や社会への貢献など考えられない、といった利己主義的な経営者には難しいでしょう。

しかし、苦境に陥って、やる気を失ったように見える経営者や従業員の方でも、ビジョンと成功への道筋が見違えるようにモチベーションが上がり、行動力が出てくることは珍しくありません。

 

また、業種や過去の実績ではなく、自分や自社のビジョンにこだわることをお勧めしているので、既存の業界の狭い枠で考えることを壊すことが当たり前になります。

 

そして、単純なビジネスモデルではなく複数の軸やコラボを推奨するように、顧客に満足してもらえるような価値の提供を目指すため、業種や業界にとらわれていては達成するのは難しいのです。

 

もちろん、企業だけではなく、個人にも通用すると確信しています。

 

 

変容するということ

トランスフォーメーション思考では、過去の延長線上ではなく、やりたいことありたい姿にどう一気に近づけるか、大胆に、大きく、広く発想を飛躍させて考えることがキーポイントとなります。

 

しかし、過去にこだわらない、縛られないで発想するというのはそうそう簡単なことではありません。

 

そこでトランスフォーメーション思考で発想する準備段階として、①頭と心を柔らかくする ②心を勇気づける ③体をリラックッスさせる ことをお勧めします。

 

トランスフォーメーションとは直訳すると「変容」という意味ですが、浅く表面的な変化ではなく、深く根本的な変化を促すことが重要です。

 

①のためには、自身のビジョンを明確にして、ワクワク感ドキドキ感を再確認する工程が大切です。

そして自分の原点や考え方を再確認し、今までと違う新しい価値観や考え方を見つけ出します。

これは過去を否定したり、どう改善するかのレベルではなく、ワクワクするビジョンを一気に実現させるにはどう自分の価値観や考え方を変容させれば良いのか考えるのです。

 

上記の作業を進めるにあたっては、自分を信じていること=自己効力感がないとうまく進まないでしょう。

②ではいろんなやり方があるでしょうが、成功者の話を聞いたり本を読むことが最も簡単でしょう。

 

トランスフォーメーション思考は、心技体が整っていないと、うまく機能しないでしょう。やる気も大事ですが、全部を支える土台としての健康も大切ということです。

 

コンサルティングにおける信頼関係作り

コンサルティングの実際の現場では、社長との信頼関係作りは重要です。

必要な情報を収集して、提案をするだけなら、それほど必要ではないのかもしれませんが、成果を出そうとするならまずは信頼関係づくりから取り組むべきでしょう。

コンサルタントを始めたころは、優れた効果性や納得性の高い提案を目指していましたが、すぐに気が付きました。

実行されない提案は意味がありません。

コンサルタントが社長を置いてきぼりにして自分だけで考えた提案は、いくら優れていてもなかなか社長の行動を促すことはできないのです。

これは人の本質なのでしょう。

他人から一方的に意見や考え方を押し付けられても、やる気にはならないのです。

逆に社長にやる気になってもらうには、自身で考え、自身が決めた状態に持っていくことが重要です。

コンサルタントは社長の新たな気づきを広げ、決断を促す応援者となるポジションが合っているようです。

「謙虚なコンサルティング」で、エドガー・H・シャイン博士は、クライアントに対してコンサルタントは”ワンダウンポジション”であるべきだと述べています。

そして関係性について、「レベル2」にまで持っていかないと成果が出せないと言われています。

レベル1は、取引上のほどほどの距離を保った関係ですが、それより一歩踏み込んで個人的な関係を作る必要があると言われています。

ただし、レベル3のような、友情や親密さを伴った関係までは必要ないのです。

つまり、杓子定規でよそよそしい関係のままでは、一緒に目標に向かって努力するには、なかなか安心して心を開いてくれないということなのでしょう。

難しいのは、初対面かそれに近い段階で、関係性を創らねば、コンサルティングはスムーズに進まないことです。

やはり社長がやる気を持たないと行動に結びつかない。行動に結び付くには、自身で気づいて、決断したという過程が必要です。

それを促すためにコンサルタントは提案だけではなく、いろんな支援を行うのですが、そのためには、社長とコンサルタントとの信頼関係構築が欠かせないのです。

 

同じ志を持つ仲間作り

トランスフォーメーション思考で事業を飛躍的に伸ばしていくには、外部リソースの活用が最も効果的です。

平たく言えば、他社とコラボ、タイアップ、連携、ジョイントベンチャーすることです。

ただ、儲け話につられて来る連携先は、少しでも儲からなくなると大抵は逃げてしまいます。

また、そうそう儲かる企画をいきなり作ることも難しいでしょう。

トランスフォーメーション思考では、まず経営者そして会社の理念やビジョンを明確にすることが重要です。

その理念やビジョンは、例えば、「自社の繁栄」といった内向きなものではなく、社会貢献などにつながるような外向きで、共感を呼ぶものでなければなりません。

理念やビジョンに共感して、連携してくれた会社は、儲からなくなったからといって、すぐに離れたりしません。

どうしたらビジョンを達成できるのか、常に一緒に模索する仲間となります。

新しい事業企画がすぐに収益化するのは稀で、実際は、儲かるように試行錯誤しながら育てていく過程を必ず通らねばなりません。

その時に、儲かることでつながった仲間とビジョンでつながった仲間では、継続性が違ってくるでしょう。

方や、すぐに儲からないと嫌だという考え方と、方や、ビジョン達成に向けて儲かるまであきらめないという考え方では、成功する確率が後者が高いのは明白でしょう。

新規ビジネス企画はきっかけに過ぎず、育てていく過程が重要なことを考えれば、ビジョンでつながり、うまくいかない時に一緒にどうしようか真剣に試行錯誤してくれる仲間作りが重要な要素となるのです。

だからトランスフォーメーション思考では、新事業で飛躍的に成長を果たすには、まず困難を一緒に乗り越えてくれる仲間を作るための共感を呼ぶ「ビジョン」づくりをお勧めしています。

発想の視点を変える

新事業の発想をする場合に、視点を変えて考えてみることは有効です。

顧客の立場に立って考えようというのはよく聞きますね。

これもやってみると独りよがりなものになっている場合が多く、そんなに簡単ではありません。

ペルソナのような、仮定の具体的でリアルな人物を設定して、具体的な発想を促すといった方法も有効です。

視点を広げてみると、次の段階があります。

自社(自分)と顧客を見つめる第3者からの視点です。

会社員であれば、自分と課長との関係を部長や人事部、または同僚からはどう見えているのか、考えてみることです。

そして次の段階は、もう少し視点を広げてみます。

会社全体(社長)から見て、競合相手から見て、消費者から見てどうだろうか?

もっと広げると、

業界から見てどうだろうか?産業全体から見てどうだろうか?

日本経済から見て、どうだろうか?

もっともっと広げると

世界から見てどうだろうか?

そして時空を超えると

100年後を考えるとどうだろうか?

歴史的に見てどうだろうか?

 

この段階までくると名経営者がそういう発想をしていることが分かります。

日本電産の永守社長はよく100年先を考えると言っているし、ソフトバンク孫正義社長は7手以上先を読んでいると言っています。

 

言い換えると、視点を広げる訓練は経営者の訓練に役立つのではないでしょうか?