高粗利経営への道

中小企業経営者、リーダー、創業者向けの役立つ情報を提供します

ビジネスモデルの重要性

ビジネスモデルとは、一言でいうと、どうやって稼ぐかということでしょう。

今のビジネスモデルでは、なかなか稼げなくなっている中小企業も多いはずです。

値上げをできればいいのですが、下請け度合いが高いところや価格が市場や競合と比べられるようなところは、難しい場合があります。

その場合、ビジネスモデル自体を練り直すまたは創り直して、稼ぐ仕組みに革新させていくことが有効です。

しかし、現代では、単純なビジネスモデルや事業構造では簡単には稼がせてはもらえません。

単に仕入れてそのまま販売するとか、流行っているものを少しアレンジして作ってみるだけでは十分ではありません。

稼ぐ仕組みを十分に検討し、簡単に真似されない工夫、そして顧客の興味を引き付ける仕掛けが必要です。

簡単なのは、強みを持つ要素を、3つ以上かけ合わせることでしょう。

突出した2つの強みなら大丈夫かもしれませんが、今の時代は3つ以上でないと、すぐに真似されたり、それ以上の商品やサービスで対応されるでしょう。

稼ぐ仕組みは、利益率を高く設定できるか、絶対額(規模)が大きいか、リピートできるかで、とことの考えます。

まずは稼ぐ仕組みありきでしょう。

そうは言うものの、実際の新事業開発の現場では、行きつ戻りつでブラッシュアップを続けることとなります。

中小企業が新事業を見つけるコツ

中小企業と大企業の違いは、経営資源の規模と質の差ではないでしょうか?

ヒト・モノ・カネ・技術といった切り口でも、明らかに不足している面が大きいのが中小企業と言えるでしょう。

そんな状況下では、世の中にない商品やサービスをゼロから創り出していくのは非常に難しいと言えます。

社長や一部の社員が超人的な場合を除き、仕組みで新事業を創り出していくのは簡単ではありません。

しかし中小企業の場合、もっと柔軟に新事業をとらえても良いと思います。

経営革新計画での新事業の捉え方は、世の中で既にある事業でも、自社が初めて挑戦する事業なら新事業とみなします。

それくらいの気楽さで、何か全く新しいものを創り出そうというのではなく、既に存在する事業をそのまま導入したらどうだろうか?

少しアレンジしららどうだろうか?

自社の経営資源に合わせたり、自社の顧客に合わせたりしたらどうだろうか?

イノベーション思考ではなく、少しだけ工夫を加えてみる「ミノベーション思考」が中小企業には合っています。

ただし重要なのは、事業規模と実行可能性です。

少なくても数千万円規模のビジネスがすぐに立ち上がるのかがポイントとなります。

新ビジネスの種を見つけることも大事ですが、育てることはもっと重要です。

試してみないとわからないのなら、どんどん試してみるべきでしょう。

もちろんその時のリスクは考えましょう。

 

強みを見出す

自社の強みを把握することは重要だ。

経営戦略や事業計画を作成するときも、強みを活かして、市場での生き残りを考える。

銀行への融資依頼や補助金申請なども、SWOT分析などで強みを確認することは当たり前になっている。

ただ強みを見つけることは、結構難しい。

どの会社にも負けない強みはないかと探してもなかなか見つからないだろう。

強みは絶対的なものではなく、相対的なもので、環境や相手によって違ってくるからだ。

自社の強みだと思っていても、競合他社がそれ以上だと強みではなくなってしまう。

トランスフォーメーション思考では、他社との連携でシナジーを出して、ビジネスを成功に導いていくのだが、連携相手は、強みを補完し合う者同士でなければならない。

同じ強みを持つ者同士で連携しても、強化はできるがシナジーは難しいだろう。

そのため、連携を組む相手を探す時も、自社の強みを把握できていないと話が進まないだろう。

ただ、共感を呼ぶビジョンと、面白いビジネスモデルのアイデアを持ち、その中で自社の役割を明確にしていると、連携先へのアプローチも容易となるだろう。

当初のアイデア通りのビジネスモデルを続けることは難しく、段階に応じて、ブラッシュアップが必要だが、最初にビジネスモデルを考えた者が主導権を握る場合が多い。

連携相手が自社より大きかろうと大企業だろうと、自社から仕掛けることが大切だ。

その場合の強みは、もっと絞り込まれて、新しいビジネスモデルの中での、自社の明確な役割や価値観を反映するものとなっていなければならない。

つなり、強みを探すのは、全体を見て、視点を変えて、将来を見据えて考え続けるしかないだろう。

新事業開発の発想

新事業開発では、アイデア出しが重要です。

いきなりすごいアイデアが出てくるわけはないので、最初は量を目標にして、頭を柔らかくします。

普段の仕事を通じて、知らない間に自身の考え方やモノ見方にバイアスがかかっています。

イデア出しは、良い事業アイデアを見つけることが目的ですが、実際は、チームメンバーの柔軟性を徐々に高めていく効果があります。

イデア出しなどで頭の柔軟性を高めないままだと、人の出した尖ったアイデアが受け入れるのが難しいでしょう。

トランスフォーメーション思考では、特に過去の延長線上にはない、飛び抜けた事業アイデアを目指すので、柔軟性をつけないと全く土俵ンも乗りません。

大企業では、世の中のニーズやマーケティング調査などから、潜在的な顧客ニーズを探っていくのでしょうが、中小企業にはお勧めできません。

中小企業は自社のビジョンを軸にして、つながりから探していく方が効率的で効果的です。

自社の商品やサービスが市場シェアで語れない程度なら、景気や世の中の動きに敏感ならずとも、自社に集中したほうが得策です。

だからと言って、アイデア発想が不要ではありません。

過去の延長線上にないビジネスの創出を目的をしているので、非常に柔軟な思考が求められます。

そのためには、思考の柔軟性を鍛える、視野を広げる、などのトレーニングを同時並行でやっていくことが効果的でしょう。

セミナーの反応

トランスフォーメーション思考での新事業の見つけ方というセミナーを開催している。

反応は概ね良いのだが、伝え方が難しいといつも感じる。

タイトルは、経営者や支援機関の方に刺さるキャッチ-なものにすると、V字回復や飛躍的な成長がすぐにできますと言った、本当かと疑いたくなるものになる。

セミナーでは成功事例を多数紹介しているので納得してもらえるが、もちろん、すべての企業に当てはまるわけではない。

特に経営者のやる気とビジョンの明確さが大きい。

そして、当然だが、どうやったら自分もできるようになるか、についての質問も多い。

プロセスと手法が一般的なものと違うため、丁寧に説明するようにしているが、難しいと感じる人が多いようだ。

まあそう簡単にV字回復できるわけではないのだが、思っているより難しくない、可能性はいくらでもあると感じてくれれば良いと思っている。

一番は、自社でもまだまだ成長する可能性があるのだと希望を持っていただけることだ。

今後は、より具体的に自社で新事業プロジェクトをどう進めるのか、成果の上がる方法を研究していきたい。

経営者の孤独

経営者は”孤独”だと言われます。

社内では、社長や会社の最終責任者の立場や役割を本当に理解してくれる部下がほとんどいません。

傍目には理解し、協力してくれる幹部や従業員はいるでしょうが、個人補償をし、将来を社長ほど真剣に考えているポジションはないでしょう。

家族も、経営に関してはなかなか理解が難しいようです。

奥さんが経理をしている中小企業も多いですが、経営、経営戦略などについて、社長と話しているのは殆ど見たことがありません。

だから社長は何でも一人で背負いがちです。

そもそも何でもできる社長などいないでしょうし、なる必要もありません。

社長に必要なのはビジョン(進むべき方向)とパッション(情熱)だと思います。

その他は、専門家、公的支援、協力者など、外部のリソースを積極的かつ有効に活用すべきです。

自分だけでやろうとすると、多大な労力のわりに成果は少ないと感じるでしょう。

自分のビジョンの達成のために、必要なものを外から導入して、リーダーシップを持って統制し、適切に活用すれば、リスクが少なく大きな成果が得られるでしょう。

自分だけで、自社だけで頑張ろうとせず、周りを巻き込むことがこれからのビジネスで大きく伸ばすポイントとなるでしょう。

新事業開発プロセス

新事業開発の通常のプロセスは、マーケティング調査から入る場合が多いようです。

ターゲット顧客の再設定、市場や顧客ニーズの調査確認、技術や商品サービスのトレンドや将来の見通しなど、全体を把握してから絞り込んでいくイメージでしょうか。

トランスフォーメーション思考では、逆に、経営者自身のまたは企業のビジョンを見つめ直すことから始めます。

そして自分の中で明確なイメージを持っていても、それで終わらせず、価値観を明文化します。

これは共感できる協力者や仲間を集めるために必要だからです。

そして協力者とともに、ビジネスモデルをブラッシュアップし続けていきます。

前者は、顧客に受け入れられる商品やサービスを創り出すことに重点を置きますが、後者は自分たちのビジョンを実現することに重点を置いています。

一見、後者はプロダクトアウト的ですが、そうではありません。

自分たちのビジョンというベクトルを明確にしてから、自分たちの強みを発揮できる商品やサービスで、顧客ニーズへ対応します。

軸がぶれず、範囲も狭まるため、新事業の検討がはるかにやりやすいことと、他社とアイデアがぶつかることも真似されることも少なくなることが大きな違いでしょう。